京都・東本願寺飛地境内地『渉成園』へ。
京都駅にほど近く。
東本願寺の飛地境内地(別邸)である「渉成園」に行って来ました。詩仙堂を開いた石川丈山の作庭と伝えられる「池泉回遊式庭園」が広がり、歴代の隠居所となったこの地。詩歌・茶の湯・能狂言などに親しむ場として整備されました。
約1万600坪の広大な敷地は、塀向こうは河原町通りといった街中であるというのに、車のタイヤがアスファルトを過ぎる音も程遠く、一体何処に居るのか分からなくなるような、非現実の静寂に満ちています。
文人趣味に溢れる数寄屋風の書院や座敷、茶室。きりりと背筋が伸びるような手入れの行き届いた庭園。その環境は訪れる者に大変穏やかで、見上げれば大きく空が広がり、風も心地よく、こちらの心も大きく開くのを覚えます。
京都には建物の高さ制限というものがありますが、確かに、このような光景の向こう側に現実味のある建物など、借景にするのは考えられません。どこまでも高く、枝を広げて立つ木々が、向こう側を覆ってくれる・・・。
また季節を通して訪れたくなる素晴らしい所です。