今晩はご近所『八瀬赦免地踊り』の日」。
京都は大原の手前にある集落、八瀬。八瀬童子でも名高い、天皇家に大変縁深い地域です。
こちらに引っ越してきておよそ4年。その歴史の深さにはあまりの新参者ゆえ、コミュニティーにとけ込んでいるとは到底言えませんが、毎年のこちらのお祭りはせめて、そっと垣間みる事にしています。
さて、「八瀬赦免地踊り」とは。かつて大変長い歴史の中、天皇による恩恵により地租所役免除の特権を与えられていたこの八瀬の地。こちらの秋元神社の祭神・老中秋元但馬守喬知の遺徳を偲び、報恩し奉納する踊りです。村人たちの手作りによる細密な切り絵が貼付けられた、透かし彫りも美しい切子灯籠を「灯籠着」と呼ばれる、御所染めの刺繍が施された衣装をまとい、化粧をして女装した13.4歳の少年が頭にのせて神社へ向かいます。また「踊り子」と呼ばれる赤い衣装の女児たちによる踊りも奉納されます。京都市の重要無形民俗芸能に指定されたこちらのお祭り。時折キンと鳴く鹿の声、虫の音、山間の星空の下、秋の夜にもほんのり温かな心地がする。歴史に根ざした誇りを胸に、地域の繋がりが育んだ、大変素朴なお祭りです。