真庭市は出雲街道に面してひときわ目立つ木造校舎。
1907年(明治40年)、当時の町の予算の3年分という巨額の費用を投じて建設されたという木造校舎「旧遷喬尋常小学校」です。
平成2年の夏に84歳で小学校としての役割を終えた時に持ち上がったのは「解体」か「保存」か。地元では半々の意見に割れ、それが全国の建築関係有識者の知る所となり、「解体とは何事ぞ」と猛烈な怒りのメッセージが寄せられたのだそうです。かくして、この校舎は重要文化財として申請を行い、今はこうして、平和な姿を我々にみせてくれます。歴史と時代の変貌の中にも、ここに存在してくれる建造物。校舎になんら縁もゆかりも無いのに、訪れる我々の心をとらえて離さないのは、何故なのでしょう。