「アイドルを探せ☆幻の葡萄。竜宝。」
夏の初め頃。高校の大先輩から美味しい葡萄があると教えて頂いた。
曰く「ほんの僅かの期間だけ販売されて、粒が落ちやすくて輸送に向かないから市場にはほとんど出回らない。だから産地まで行かないと買えないし、自分で買ってもそおっと、車で運ばないといけない」。
「なんだその繊細な箱入り娘っぷりは!」。想像が膨らんで、是非とも逢いたくなるし、食べてみたくなる。その子の名前は「竜宝」。
と、言う訳で。国内で一番の栽培面積だと言われる滋賀県の、その中でも教え通り、県内でも一番いいよと言われる産地の竜王町へ。が、更にとお教え頂いた農家さんは、ホームページには販売終了の文字。農産物って、ほんと、いつでもあるようで、その季節のみ食べれる宝なんだなとあらためて実感するも、諦められないので近くの道の駅、更に同じ竜王エリアにある別の道の駅へとハシゴして、イチオシ農家さん栽培の「竜宝」を発見した!
と、ここまで希少性の高さを強調されてるものだから、さぞかし高嶺の花なんだろうと思っていたら、意外や庶民派アイドル価格。
赤紫色した大粒ぶどうの「竜宝」。皮と果肉の離れも良く、皮をめくるともったいない位、ポタポタたっぷりの果汁が落ちる。そして果肉の甘みと酸味のバランスの素晴らしい事!なんとまあ・・・!
もう、何もしなくても完璧過ぎる美味しさだったけど、素人おっちゃんプロデューサーは、やっと逢えた、この、完成された、テレビにも出ない神秘の超一級アイドルに自分色も重ねたくて、甘さ控え目の発泡清酒にほんの少し蜂蜜を加えて果肉ゴロゴロのゼリーにしてみた。
日本酒の渋みが加わって、甘い、酸っぱい、ほろ苦い、で、冷たいのにお腹がぽわっと熱くなるという、実におっちゃん好みのデザートになったけど、やはり素の美しい味わいにはかなう訳も無く。
「竜宝」さん。来年もまた、逢えるの楽しみにしています!