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たらこパスタ

「逆転カルチャーショック」

 

先日は女3人、そのうちの一人の馴染みであるパスタ屋さんに連れてもらって長居した。その名も「スパゲティ・コレクション」。コレクション。。。響きがとても80年代的。随分前から寺町にあったらしいが、全く知らなかった。

80年代と言えば、女子大生やOLが主軸のドラマが多くて、パスタもスパゲッティと呼ばれた時代。そして確かその頃に明太子スパなるものが流行ったと思うが、女子大生にもOLにも属さなかった自分はそんなオシャレなものを食す機会が無く、同じ寺町エリアだったらちょっと離れた、煙でモクモクのホルモン「三吉」で焼き肉臭にまみれる事を良しとしていたし、きれいなお姉さん達がカフェバーなる所でカクテルなど嗜んでいる頃は、自分はバーボン、ジンにウォッカ、テキーラやラム類をがぶ呑みしてたと記憶する。

80年代サブカルには、おおよそ洋楽以外振り返りたいものが自分の場合無い。それもMVで振り返るとファッションもメイクも髪型もダンスも、見るとうへえとなる事が多くて(勿論全てでは無いけど)、正直音だけ聴いていたい。60、70年代フォークファッションが再燃した時は目を疑ったけど、更に80年代が燃え始めると心底逃げ出したくなった。今の所、自分にリアルな年代カルチャーをどうしても懐かしむような心地になれない。それを今風に言えば「黒歴史」と言うのかな。。。

と、そんな訳で看板フォントだけで遠のいてしまって、連れてもらわなかったら恐らく入る事が無かっただろうお店。しかし。。。思い込みの決めつけはいけないんだとしみじみ思った。内観は数年前にブレイクしたフレンチシャビィな白く無骨な感じで、少なくとも2010年代には対応していて居心地はとても良かった。

そして肝心のパスタ。友達がイチオシしてくれた明太子パスタが、これまた勝手な概念をひっくり返してくれた。よくあるクリームと明太子を麺に絡ませてなくて、粉チーズをたっぷり効かせたホワイトソースを、パスタの横にまるでカレーのように注いであって、明太子が身のままどんと乗っけられているのだ。こんな旨いソース。。。!

なんか悔しくなって、想像を働かせて家で再現してみる事にした。

ソースはまるでカルボナーラみたいな味なんだけど、多分、卵黄じゃ無くて牛乳や生クリーム&バターのホワイトソースに、塩気にたっぷりのパルミジャーノレッジャーノを削って加えた味とみた。明太子はまた夜、ご飯にのっけて食べたかったから、ついけちってしまったけれど。これらを混ぜながら食す。

実に遅ればせながら、自分の中へ取り入れる事には成功した。

谷口菜穂子写真事務所
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