今年の紫陽花名所巡りは。。。という事で、インスタで(湧いていて)知った、京都は南山城にある「岩船寺」へ。
石段を上がって山門から目の前に広がるのは、奥の三重塔、その前の阿字池を囲むように咲く色とりどりの紫陽花。3次元の世界が二次元的に、撮影ポイントはここなり、と言わんばかり、みんな代わる代わる写真に収めてゆく。中にはもう、市内では禁止のところがほとんどの三脚を据えて撮影している方もおられて、御住職曰く「街中のお寺と違って、まあ争い事も起きませんから」とニッコリ仰る。
京都と奈良の県境に位置し、公共交通機関からのアクセスもお世辞にも良いわけじゃ無いエリアにあって、訪れる方大変多し。コロナ渦もどこ吹く風、人が消えたような街中にも例えば飲食店など唐突にピンスポットでお客さんがいっぱいの光景同様、SNSというのは改めて、それが好きな人に向けてごく集中的に情報が寄せられる効果たるや驚くばかりである。
山肌の高低差を巧みに利用した境内は、室町時代の三重塔が俯瞰からも見下ろせたり、本堂におられる欅の一木造りの阿弥陀如来像も本当に心和むお顔をされていたりと、確かに、魅力溢れるお寺だ。
岩船寺からほんの数キロの所には「浄瑠璃寺」がある。
こちらは以前テレビの取材放送で観て、実際どんなものかと見てみたかった所。南部(奈良)仏教の聖地に創建されたお寺で、九体の阿弥陀仏とそれらを安置する本堂、その前に庭園が整備されており、本堂側が彼岸、池の向こう、対岸に建つ三重塔側が此岸になるそうだ。
浄瑠璃寺は、先の岩船寺とは打って変わって訪れる人も相当まばらで参道も静か。隣接寺院と言うのに、湧いているか湧いてないかでここまで違うのかとまた驚き。野良猫たちがのんびりくつろいでいる。
障子越しの自然光で浮かび上がる御堂の中と言い、境内の物語性と言い、いわゆる京都とは詳しくなくとも異なりを感じる全体型と言い、個人的にとても魅了されるお寺だった。あたりには磨崖仏もたくさんみられるそうだ。また秋にでも訪れてみたい。必ず。