先週末に次期移住先の石川へ。
1月末の大雪の際、集落の、主には空き家か半空き家になっている家々の水道管が破裂して町全体の水圧が下がり、断水して給水車が出動しているとのニュースがあった。区長さんや元家主さんからも電話があってご心配頂いた。
この度購入した家に関しては上水道は元栓から止めたまま、井戸水もポンプの電源を抜いてあるからまあ大丈夫でしょうと言われたものの、やはり心配で見に行ったら案の定、外に出てる水道管に亀裂が入ってしまっていた。今後は(特に冬は)井戸水の電源を抜いた後も完全に水抜きしてから帰路に着こうと自分なりに学習。
ともあれ、水が出っ放しになって集落の皆さんにご迷惑を掛けなかっただけでも幸いかな。。。
と言う事で、能登のお楽しみを発掘すべく、今回は移住先集落のお隣にある、是非とも行ってみたかった「コスモアイル羽咋」へ。
どこまで全国的に知られているかは未知だけど、お隣の羽咋市は「UFOのまち」として推している。理由は江戸時代の古文書に「そうはちぼん」と呼ばれる、日蓮宗で使われるシンバル型の飛行物体が頻繁に現れたとの記述があったからだそうだ。これを町おこしの主軸にして、なんと宇宙科学博物館まで作ってしまった。
が、いわゆるハコモノ系と思いきやとんでもない。
時代とともに劣化する建築は、時代を先駆けたとしてその思いだけで奇を衒うと時と共に未来の人から愛着が薄れてしまいがちだが、その中身や精神が軸をはっきりと持っているなら、未来の人にもきっと届いて長く愛される。そんなことを完璧に体現しているのがこちらの施設だ。
「どうせレプリカでしょ」とか思ってませんか?
これがこの宇宙科学博物館のポスターキャッチコピーだ。サブタイトルは「ド田舎の博物館に何が起きた!?」。自虐的ですごい良い。いや。はい。私も今までそう思ってました。
が、この博物館で展示されているものは全て本物。屋外展示のロケットもNASAから入手した「レッドストーン・ロケット」だし、建屋入り口すぐにお出迎えしてくれる月面車も、アメリカ初の有人宇宙船「マーキュリー宇宙船」も、旧ソビエトの「ヴォストーク宇宙船」も、「アポロ司令船」も。。。
なんと全部本物!どうやって集めた?!ヤバいです!大興奮!!!
かつて激烈を極めたアメリカ合衆国とソビエト連邦の宇宙開発競争による開発合戦の賜物、かつ未だ燻り続ける不仲な超大国同士が同じ空間に揃ってるのも大興奮だし、その同じ土壌で地球外知的生命体について研究を行っている専門家たちによる展示も幅をきかせて並んでいるのもまた面白い。
ちなみに、名誉館長はかつて11PMなどを手掛けたテレビディレクターで今はUFO/超常現象研究家の矢追純一氏。マスコットキャラクターは宇宙人サンダー君ときた。現実と超現実のせめぎ合いというか、実物主義で完璧に固めて、辺りに謎と不明瞭な部分を纏わせているのがある意味ロズウェル的というか。
教科書で学ぶべき世界と、我々子供の頃はメインストリームで頻繁に放送されていた民放局の超常現象番組等でゾワゾワする世界が並列されているようで、近所の子供たちは果たして、学校の課外授業なんかでここに来てるだろうけれど、さぞかし楽しいだろうなあと想像した。
下手な忖度や迎合の匂いのしないものって、大人は心が開放されるし、子供は疑いのガードを外すだろうから。
これはホントに是非とも、写真などでは到底凄みが伝えられないので実際に興味のある方は訪れてもらいたい。
かく言う私と言えば、普段それほど宇宙関連に興味の無い人間ですが、実物の数々を見て好奇心が破裂しそうなほど楽しむことが出来ました。
当時のハイテク、昔の近未来が実体験出来ますし、何より、今となれば相当なアナログ装備で未知の世界へ飛び出すその勇気に身震い。これら全部、宇宙への旅から帰ってきたんだなあと、生々しい劣化の跡を見ながら感慨。
そこでふと、来場していた若者らが、思っている以上に狭い宇宙船内部を見てポツリ「俺、こんなとこ居たら気狂ってるよな」「閉所恐怖症やと無理やろ」とか言う言葉にも思わずうんうんと頷きました。
やはり、複製品じゃなく本物が伝えるものって尋常じゃないです。
ちなみに、お土産グッズコーナーも相当楽しいですよ。大人買い。(写真のサインはおトイレ。あちこちに宇宙人表示。)
さあそんな、未知の世界への勇気と言えば、このプロジェクトを進められた方の思い出話も大変興味深いです。
町おこしのきっかけや、これらの展示品をゼロから集めた経緯など、面白おかしく真剣に、振り返りとして公式サイトに記載されています。何にも無いところからやってみようとする熱意とか、継続することへの粘着力とか、相手の懐に転がる人としての可愛さとか。遊び心を保ち続ける強靭な精神とか。それこそ色んな、生きるヒントみたいなものを読み取ることが出来て面白いです。以下にリンクを貼っておきますので、是非お読み下さい。
やはり、楽しく真剣にやり遂げるべく生きるって、大事ですよね。
宇宙と、宇宙人と、宇宙人みたいな人に、なんだか勇気と活気を貰いました。
→UFO町おこしの仕掛け人によるプロジェクト経緯リンク
http://www.hakui.ne.jp/ufo/01_02story.html
→コスモアイル羽咋公式サイトリンク