Flower on your eyes
「早乙女葛」
金沢の東山にある高木糀商店にて開催された、珠洲焼作家・中山達磨さんの大壺展(8月1日~18日)へ。
実際に米を蒸したり大豆を炊いたりする薄暗い釜場に浮かぶ黒い焼き物たち。
元旦の能登半島地震で九割がた割れてしまった作品のうち、瓦礫の中からなんとか救出されたものが、初盆を迎えるにあたりどっしりと確かに存在していた。
ひとつ御茶碗を持ち帰り、取り除いても取り除いても庭で逞しく繁殖する早乙女葛を添えて。
通称「屁糞葛」と疎ましい名前を付けられるも、実は化粧水や民間薬にもなる。万葉集ではその生命力に習い絶える事なく、と謳われた。
途絶える事なき陶魂と、育まれる環境がその手に戻られますよう祈りを込めて。