なんとかお天気も持った日曜日。
丹波市青垣町佐治で毎月第4日曜日に開催されるマルシェ「サジイチ」にて、お隣の氷上町でブックカフェを営んでいる「mamimumemo book book」さんの出店ブースにお邪魔させてもらっての子供写真教室が無事、終了しました。
秋はそこらじゅうでイベントや行事など満載で、子供参加が少し少なかったので、ちょこっと大人も参加。が、表現は全く互角なのが面白かった。これ、今度は親子写真教室にしても良いかもですね。
さて今回は、冒頭にロケーションマイスターな世界のレジェンド写真家30人(フォトジャーナリストからアート写真家まで)の作風を紹介し、一見すると同じ風景などを撮った写真でも、その作家さんそれぞれの考え方やものの見方について触れることで、一歩踏み込んで、良いもの探しが出来る目を養ってもらえたらな。。。との思いのもとで構成してみました。ちなみに、いつもながらあとはどう写真を撮るか、と言う、構図とか見せ方などのいわゆるテクニック指導などは一切無しで放置プレー、自由にやってもらいます。
代表作などをババっと一気に紹介するんですが(しかもあえて小さいコマの写真で)、ブラッサイの夜のパリは、「これは夜の街をなんとなく撮ったんじゃなくて、この人は凄く夜のパリが好きだから、それを再現して人物などは仕込みで撮ったんだよ。ある意味、映画みたいなもんだよね」と言うと目を丸くし、リー・フリードランダーのこっそり自分映り込み写真に「よおく探してみると面白いよね」にウケて、ピーター・ビアードやホックニーやウォルフガング・ティルマンスの展示方法は「カワイイ」とやっぱり好評で、植田正治は「この人は生涯、自分の生まれ故郷を大事にして、地元の鳥取砂丘を背景に、家族をモデルに撮ったんだよ」と言うと興味津々で「ちなみにmamimumemoのオーナーは最晩年に写真専門学校の課外授業で植田先生に会えたんだよ」と付け加えると素直に驚いて、シンディ・シャーマンの写真は「なんでこれが風景かって思うだろうけど、これ、実は全部本人のセルフポートレイトで、しかもその風景のなかの人物を演じてるの」と言うとこれまた目を丸くして。。。
とどのつまり、こちらが驚いたのが、ユージン・スミスを紹介した時に、「この人はね、報道写真家なんだけど、辛い思いをした人、傷ついた人の側にちゃんと寄り添って写真を撮る人で、お家がキリスト教をとても信じた所で育ったから、なんかね、辛い写真でも慈悲深いの」って言うと、(あえて水俣写真には触れなかったのに)「あ。なんで水俣病の写真があるの?」って突っ込んできて、そうか、小学校の社会の授業で公害のこと勉強するよな、とこっちが思い出して、「日本人じゃなくてアメリカ人のカメラマンが写真撮ってたって初めて知った!」と驚いてました。「この時代は、日本人はなかなか、この問題に向き合えなかったんだろうね」と伝えるとしんみり。
などなど。写真の話を前のめりで聞いてくれる、そして最高なリアクションを連打してくれる小さな仲間達が出来て、素直に嬉しいです。
その後、しっかり写真の自由を理解した子供たちは、旧街道に繰り出して写真撮影。そしてその場でプリントして、それぞれ自由にマステなどを使ってボードに貼り、テーマやタイトルを書いて展示。あとは道ゆく人たちなどが付箋に感想をたくさん書いてくれました。
なかなかに、写真家たちのフィロソフィーをしっかりモノにして自分なりに色々な方向で解釈されたのが見える表現も散見。今回も本当にすごい名作揃いで、提案した講座内容のフィードバックが凄すぎて、私の方はというと、咀嚼しきれずオーバーフロウです(笑)。
まあもうね、カメラマンがとやかく写真感想なんかを述べる場合じゃないんですよね。普段写真から遠い、素直に見た人たちの温かい言葉でもう、充分過ぎる。。。
と言うことで、今回初めて、マルシェなどに組み込む形で写真教室をやってみましたが、なんか色々可能性が見えてきました。あとはこちら側の改善点などをしっかりブラッシュアップして、次回、また次回へとより良きものにしていこうと思います。
今回も、写真を通して参加された皆さんから色々学ばせてもらって、幸せな1日でした。こちらこそでありがとうございました。
最後になりましたが、運営に関して、大変お世話になりました皆様、本当にありがとうございました!!!
またお会いしましょう♪次回は12月22日に開催決定です!