今年の桜はいつにも増して健気に思う。
去年の台風で大きく被害を受けて、どの木も太い枝がプツンともがれて、手当の行き届いた桜は切り口に殺菌処理がされている。そうでは無いものは、傷口もあらわなまま。しかしいずれも痛々しいのをこちらが見落としそうなほど、花を咲かせている。
毎年ならそう、定番の名所も遠目にして外すところだけれど、いずれの桜も今年は沁みる。
昨日市内であった取材仕事を終えて、平野神社に行ってみた。
市内でも大きな被害を受けた寺社仏閣の一つで、こちらの拝殿は柱から崩れてしまった。境内に育つ60種類の桜も多くの被害をうけた。台風一過の後に心配で様子を見に行ったが、こんもりとしたはずの桜の森は、空を広く感じた。
養生している桜の一角は、復興基金も兼ねて有料になっていた。有料エリアの人は少なかった。
「よくここまで復活されましたね」と受付の方に声をかけると、「なんとかみなさんにお花見していただけるようには、なんとか。。。みなさんには本当に、ご心配いただいて。。。」と、深々とおっしゃった。
できれば、その他の境内だけじゃなく、有料エリアでも多くの方に、その桜たちの姿に声援を送ってもらえたら。
そして、拝殿復興のための募金も行われていますので、これまで、平野神社のあの昭和ローカルな座敷でいい気分になった思い出のある方、平野神社の桜に癒され、また写真も多く撮影させてもらった方は、ぜひ御心を。