連日の晴天は、やはり似合わない紫陽花。
今年はこれまでに無く、庭の紫陽花がよく咲いている。
何度も枯らしかけた額紫陽花二色。
気に入って買ったのは25歳くらいの頃。
数回の鉢替えの後、去年ようやく地植えして、
とても伸び伸びとしている。
それにしても今年は紫陽花に限らず庭の花々はいずれも好調だ。
元々からあった椿はこれでもかというほど花を咲かせた。
テッセンもジャーマンアイリスもアマリリスも、
思い出したようにわっと咲いた。
今はアガパンサスがたくさん莟を空に伸ばしている。
去年勧修寺からもらった半夏生もしっかり根付いた。
「花が咲くのは老化の証」と昔、親が言ってたのを思い出す。
死ぬのが恐いんや。と。
あんまり驚かせないで欲しいな。
6月というのに真夏のような日射し。つかの間の逃避。
部屋から窓ごしに季節の花々を眺める。湿気も無く日陰は涼しい。
窓向こうではせわしなくアゲハチョウが飛んでは留まり、
柚子やレモン、山椒の葉に卵を産みつけてゆく。
やがて葉を喰い散らかして丸々肥えた幼虫を、アシナガバチがやってきては団子にして、巣へと運んでゆく。
SNSでは誰かは新たな日々を迎えて楽しそうで、その向こうの誰かは口を閉じたまま、
悲しみのどん底、振り切っても拭えない孤独の最中にあるだろう。
そっとノートPCを閉める。仕事に出かけよう。